【報告】第1回宇和島医療メディエーション研修会

平成23年2月26日(土曜日)15時から17時、宇和島社会保険病院に於いて、「医療メディエーション研修会」が開催されました。参加者は、宇和島医師会より田中銑一先生、宇和島社会保険病院長 松田芳郎先生、開業医の先生、看護師さん、事務職員の方と総数91名の方に参加していただきました。貴重な週末に参加してくださった皆様ありがとうございました。

研修目的は「メディエーターマインドを基にした傾聴の姿勢、日々の対応の重要性とメディエーションマインドの必要性について周知する」として、医療メディエーションの講義、DVDを用いた事例解説、ロールプレイの実演などの内容で実施されました。

研修後のアンケートでは、「日常メディエーターマインドをもって関わることを心がけたいと思う」、「日々の看護業務に役立てて行きます。クレームや患者、家族様の対応にメディエーターマインドで関わりたいと思います」など、メディエーターマインドが広がったご意見が書かれていました。今回の研修もみかんの目標達成更新です。(^_^) (記:田坂)

ところで、みかん講演では、毎回、ご当地グルメを満喫しているのですが、今回、みかんメンバーグルメ王の紹介で、昼食も夕食もチャンポンを食べました。そこで、私のチャンポンに対する「認知のフレーム」が変化しました。写真は2つともチャンポンです(>_<) 私以外も認知のフレームが変化した人がいるかも・・・(^_-)

【報告】平成22年度 第4回 医療コンフリクトマネジメント研修会報告

平成23年2月5日(土)、6日(日)に今年度最終の医療コンフリクトマネジメント研修会(基礎編)が開催されました。

今回は、「みかん」のメンバーではない、基礎編修了者の、はじめてファシリテータをする三人が参加して一緒に学習させて頂きました。ファシリテータとして関わりながらメディエーターの視点でロールプレイに参加して客観的に観察することができました。話し合いの中で、この場面で質問すればよい、この言葉がキーポイントになるなどの気づきがあり、貴重な体験をしました。

参加者の職種は医師2名、看護師12名、臨床検査技師1名、事務13名、相談員1名、MSW1名でした。男性がいつもより多く15名で半数を占め、クールな、やや静かな研修会でしたが、ロールプレイでの患者の夫役などでは迫力がありました。メディエーター役では、事務職の方はまとめてしまうという役職の特性が出ていましたが・・・。

一日目のロールプレイでは皆さん、まだぎこちなさがありましたが、二日目になると役割になりきって、またメディエーターとして体験することで日常の患者・家族の関りの中で、今までの対応などでの問題など感じたのではないでしょうか。

メディエーターの役割として患者の語り、医療者の語りから対話を促進して、表層部分からお互いの深層、奥底に隠れている部分を出して相違点を明らかにすること、そこから同じ視点で語れるようにもっていくことが大切であることを学んだと思います。

メディエーションのツールは質問で、いかによい質問を、いかにいいタイミングで対話の中で行うかがキーポイントでしょうか。上手に話してもらうにためには「聴く」ことの重要性を再認識して今後に活かしたいと思いました。 (記:愛媛大学医学部附属病院 青山

 

 

【報告】出張講演報告 徳島県医師会

平成23年1月29日、今川支部長にお供して徳島県に行ってきました。徳島県医師会の医事紛争・医療安全対策委員会合同研修会として今川支部長に依頼を頂いたもので、県医師会長様を始め、担当の常任理事の先生方など大変手厚く迎えて頂きました。当日は、今期最大の寒波到来で徳島自動車道は降雪のため一部通行止めになる中、高松廻りで無事到着することができました。

研修会には土曜日の夕刻にも関わらず、医師64名を含めて130名の医療従事者の方々がご参加下さいました。

プログラムは、ほぼ従来通りでしたが、最後のロールプレイは、今川支部長がメディエーター役となり、医療者役と患者役は徳島県医師会の先生方と事務局の方による現地バージョンで行われました。
皆さん、大変役者揃いで、事前の打合せでは「そんな厳しい言い方はできません・・・」と言われていたにも関わらず、実演では、怒ったり泣いたりの名演技をご披露下さいました。緊張感ある迫真の演技は、参加者の方々に医療メディエーションの雰囲気(イメージ)をよりリアルにお伝えできたのではないかと思います。

四国では愛媛県から高知県と徐々に医療メディエーションへの関心が拡がっていますが、徳島県に於きましても、確実にその拡がりを感じ取ることができました。何と言っても県医師会の組織力と影響力は多大で、愛媛がそうであったように一気に医療メディエーション並びにメディエーション・マインドの啓蒙、周知活動が進むのではないかと思います。
推進チーム「すだち」誕生も近そうです。

私は支部長にお供した立場ではありますが、お迎え下さった先生方、お世話頂きました事務局の皆様に厚く御礼を申し上げます。誠にありがとうございました。(記:徳永)

 

【報告】松山ベテル病院で講演しました

平成23年1月13日、松山ベテル病院に於いて第11回目の「みかん」講演を行いました。
松山ベテル病院は、早くからスタッフが県医師会主催のコンフリクト・マネジメント研修会(基礎編~継続編)に参加され、また昨年12月の研修には院長先生自らも参加されるなど、病院を挙げての取り組みが行われています。

講演のプログラムは、医療メディエーションに関する講義、DVDを用いた事例解説、ロールプレイの実演など、約2時間の内容でした。講演後のアンケートでは一定の評価・感想は頂いたものの、やはり平日の業務終了後の2時間は、参加された方々には少しご負担であったのではないかと思います。
プログラムは、メディエーション(マインド)を段階的に理解して頂きやすいように、一つひとつの内容を考えて構成していますが、さらに要点を整理するなどして、時間短縮も含めて参加される方々の集中を切らせないような工夫が必要だと感じました。

講演後の質疑応答では、「研修等で“skill”を高めていけると思うが、“will”の部分をより高めるにはどうしたらよいか・・」旨のご質問を頂きました。
“will”を高める方法というとなかなかお伝えするのが難しいのですが、私は、まずは一つひとつの対応の場面を大切にし、真摯な姿勢で向き合うことだと思っています。相手の話をよく聴き、心の声に耳を傾け、できる限り相手の想いに寄り添えるように努める(行動する)なかで、すべてとは言いませんが、今までよりも深いところで理解し、通じ合える瞬間を体感されることが必ずやあると思います。この(成功)体験を糧にまた行動する、これを積み重ねていくことが結果としてwillを高めることに?がるのではないかと思います。

私がメディエーションを学び始め、2度目のメディエーターとして関わった際、それまで非難的であった“場”の空気が、一つの言葉をきっかけに大きく変わり、相互理解へと傾いた瞬間は今でも鮮明に脳裏に焼きついています。学んだskillを実践することは、ある意味勇気が必要ですが、結果を恐れず“やってみる”ことが大切だと感じた次第です。(記:徳永)

 

【報告】平成22年度シンポジウム報告

平成23年1月15日に平成22年度日本医療メディエーター協会四国支部シンポジウムが開催されました。かなり冷え込んだ松山市において、開催場所のリジェール松山8Fクリスタルホールは、参加者120名の熱気にあふれた空間となりました。

特別講演I「医療現場で活かせるメディエーション」
自治医科大学付属病院医療安全対策部長  長谷川剛教授

特別講演II「患者が望むメディエーションマインドについて」
NPO法人愛媛がんサポート「おれんじの会」副理事長  小野光則様

活動報告 「四国における医療メディエーション推進活動について」
JAHM四国支部医療メディエーション推進チーム「みかん」 友澤永子

特別講演Iの長谷川教授は、今後の医療メディエーションのメソッドとして、「teamSTEPPS」と「ノンテクニカルスキル」を取り上げ、チームとしてのより良い実践と患者安全を高めるためのツールと戦略により、情報、人、資源を最大限利用する効率のよいコミュニケーションがとれたチームを作り出すことが重要と述べられました。また、業務遂行に必須の「テクニカルスキル」にたいし、安全を守るための「ノンテクニカルスキル」が重要で、状況確認や意思決定、コミュニケーション、チームワーク、リーダーシップ、ストレス管理、疲労対策等、医療現場で発生する様々な問題点の認識と確認を行い、医師、看護師という立場に関係なく、声を上げることが重要とされました。さらに、Aiとメディエーション、エンパワメントと協調、モチベーション3.0、Autonomy(自己決定権)など非常に豊富な知識を披露され、「持続するやる気が重要」、「人間に対する信頼、強調、ケアの精神を持ち」、医療現場でメディエーションスキルを発揮していくことが必要と述べられました。最後にJonsenの4分割法(Medical Indication、Patient Preferences、QOL、Contextual Features)を紹介し、各症例で発生した具体的な問題にたいし、広い視野から眺め、多職種間での討論の枠組みを作る準備として有用であろうとされました。

特別講演IIの小野光則様は、患者・家族会の立場から医療メディエーションを捉え、医療者側、患者側双方がお互いに対話を通して分かり合える関係を構築することが大切であり、両者の関係を信頼関係にしていくためには「人のつながり」、「人を生かす愛」が重要とされました。メディエーションが必要な状況になる前に、患者を理解するための配慮が必要で、医療者と患者が顔を合わして、心通わし、患者が安心して求める医療を目指すことが大切であると述べられました。

最後に、JAHM四国支部の友澤から四国支部の活動内容、特に「チームみかん」の活動報告がありました。愛媛県医師会と看護協会が中心となり、四国4県への医療メディエーションのさらなる普及を目指して今後も活動していくという強い決意を発信しました。 (渡邊 記)