【報告】医療コンフリクトマネジメント研修会(基礎編) 高知

<医療コンフリクトマネジメント研修会に参加して>

平成23年12月24日、25日に高知市総合あんしんセンターで開催された研修会に参加しました。医療メディエーションについては、以前より興味を持っておりましたが具体的内容については全く理解できていませんでした。そこで、愛媛県医師会会長の久野先生を通じて日本医療メディエーター四国支部代表の今川先生を紹介していただきチームみかんのメンバーによるロールプレイを含めた講演を高知病院で何度か行っていただきました。医療者側と患者側の間に中立的立場で介入するメディエーターの存在は非常に意味あることと理解しましたし、メディエーションマインドは医療の世界のみならず一般社会においても必要なこととも感じました。メディエーションについてより理解を深めるために今回の医療コンフリクトマネジメント研修会に参加させていただきました。クリスマスにもかかわらず、たくさんの人が集まり高知でのメディエーションに対する意識の高さを感じました。参加して聞くと行うとは大違いで、チームみかんの講演を受けたときにはわかったような気になっておりましたが、いざロールプレイ演習を行ってみると言葉の選び方から相手に対する姿勢まで非常に多くのことに注意する必要があることを実感しました。実際に行ってみて、相手の話をじっくり聞いていくことができず、自分の意見をすぐに話そうとしていることに気付き、話を聞くという非常に簡単と思えることでさえ難しいことであると気づきましたし、また、この聞くということが非常に重要であるとも感じました。人が生きていく社会には当然コンフリクトを抱えていますが、特に医療の現場はコンフリクトにあふれており、対立する立場の人の間にたち中立的な第三者の立場で双方を支援し両者の考えの違いの修復や改善を目指す医療メディエーターの役割は重要であり、このようなマインドを多くの人が身につけることでよりよい医療が展開できると思います。2日間の研修ではありましたが非常の多くのことを学ぶことができ、他者とのコミュニケーションに対する意識が変わってきたと感じています。

国立病院機構高知病院 大串文隆

———-

<高知県の医療メディエーション推進の取組みについて>

県では、H21・22年の2年間、医療安全管理研修会のテーマを「医療コンフリクトマネジメント~医療メディエーション~」として、病院・診療所の職員を対象に開催し、合計992名の医療従事者の参加がありました。この研修会では、医療メディエーションの必要性等について理論の啓発はできますが、実際に医療現場で活動できるスキルを獲得するためには、実際のトラブルを想定したロールプレイング等による演習が必要となります。これを受けて、平成23年度から3年間の計画で、医療対話仲介者養成講座事業を立ち上げ、初年度には「導入編」を年間3回(1回の講座募集人数50名)開催し、県内の医療従事者450名の受講を予定しています。今年度は既に2回の講座を開催し、合計111名の受講がありました。

また、年度末には医療機関の管理者に対する医療メディエーション啓発研修も予定しています。

このように、高知県で医療メディエーションへの取り組みができてきたことは、日本医療メディエータ協会四国支部のご支援のおかげでありまして、更に、この度、高知県でのCM研修も開催していただきました。

県としては、今後、CM研修の受講者に対し、情報交換やスキルを磨いていく場としての交流会等を開催していくことで、医療メディエーションのネットワークの構築に向けた取り組みを行ってまいります。

高知県健康政策部医事薬務課 坂本 絵里