【報告】日本医療事務センター(松山支社)で講演を行いました。

平成22年11月13日(土)、日本医療事務センター(松山支社)様から要請を頂き講演をしてきました。支社長様を始め担当して下さったIさん、その他スタッフの皆様、ありがとうございました。

日本医療事務センターは、ご存知の方も多いと思いますが、医療事務業務の委託や人材派遣を中心に全国展開されている会社で、愛媛県内でも大学病院、市立病院などの大病院から小規模の診療所に至るまで幅広く業務を受託され、私が勤務する病院でも入院事務業務を委託しています。また同社は年1回、各受託医療機関に応じた業務改善と社員のスキルアップのため、各医療機関に勤務する社員を集めて「改善発表会」を行っており、今回はその中での特別研修としてお時間を頂けることになりました。

みかん講演は、普段は4~5名で訪問しますが、日程の都合と、参加者が全員医療事務員ということもあり今回は事務職の私が担当させて頂きました。

私が実際にメディエーターとして関わった事例を紹介し、患者さんと医療者の「認識の違い」がなぜ生じるのか、コンフリクトとは何か、メディエーターマインドを心得た「苦情対応のコツ」などについてお話ししたのですが、参加されたほとんどの方が苦情対応等でご苦労された経験があるようで、熱心に耳を傾けてくださいました。

“正しさは人を傷つける”という教えがあります。苦情を受けた際、患者さんの思い違いということが明らかで、病院側に正当性がある場合など、つい正しいことの説明に走ってしまいがちですが、「正しいことを伝えるときこそ控えめに」という配慮と優しさが必要です。決して患者さんの誤りを指摘したり、遣り込めるようなことにならないよう、「分かりにくくて申し訳ありません・・・」「うまくお伝えできなくて申し訳ありません・・・」などの言葉を添えてお伝えしていくことが大切だということ。また、苦情対応する時は、患者さんの怒りの声でなく、潜在的な声(本当に言いたいこと)に耳を傾け、心の奥にある想いを感じ取ることが真の解決に繋がるということ。メディエーションは、医療の現場だけでなく日常の会話や対人関係においても活かすことができるということなどをお話ししました。

講演後のアンケートでは、「相手とは異なることを頭に置いて心の声を聴いていきたい」「傾聴・共感、対話の姿勢を心掛けて患者さんに対応していきたい」「言葉の裏にある相手の本当に言いたいことを理解できるように努めていきたい」等、たくさんの感想を頂きました。私自身も改めてメディエーターマインドの重要性と、これからもより多くの医療に携わる方々に分かりやすく伝えていくことの必要性を認識しました。ご参加くださった皆さんの今後の対応に少しでもお役にたてればうれしく思います。(記: 徳永)