【報告】医療コンフリクトマネージメント研修会に参加して

平成24年3月3、4日の2日間、昨年末に新装されたばかりの愛媛県医師会館で開催された研修会(基礎編)に参加しました。

実を言うと、今回この会に参加するまで「医療メディエーション」という言葉さえほとんど馴染みがなく、スタッフや講師の皆さんにはこのうえなく失礼な話ですが、なかば仕方なく渋々参加する事になってしまいました。

そんな訳で研修初日の朝、なんとなく重い気持ちで会場に足を踏み入れました。しかし、そんな思いはすぐに杞憂であったことに気付かされました。新築の匂いがするような広い会場に入ると、ゆったりとしたスペースに3名1組で10グループが程よく配置され、圧迫感を感じることはありませんでした。

参加者の職種はさまざであり、私は第4班でしたがあとのお二人は看護職と事務職の方でした。最初こそ少し緊張していましたがすぐに打ち解け、ハードな2日間でしたが和気あいあいと過ごす事が出来ました。

研修自体は、スケジュール表にしたがって粛々と進められたのですが、聞きなれない言葉の続出で、頭の中はなかなか整理が付かずパニック状態に陥ってしまいそうになりましたが、講師の先生方のパワフルで分かりやすい解説のおかげで、少しずつ理解できるようになりました。それでも1日目は、終わってもモヤモヤ感が拭い去れず消化不良のままで終了してしまいました。

2日目はロールプレイが中心で、3人が交互に患者役、医療者役、メディエーター役を演じる事により傾聴の難しさ、相手の立場や気持ちを理解することの難しさ、中立的な第三者の立場の介在者の必要性等々が少しずつ理解できるようになりました。

2日間の研修を経験して、一定の規模以上の病院には医療メディエーター(またはメディエーター的役割を担える人)の配置が必要であること、個人の開業医でも必要時にはすぐに医療メディエーターを派遣できる体制作りが急がれることを痛感しました。一方、出来る限り多くの医療者がこういった研修会を通じて日常診療におけるコミュニケーションの大切さに気付き、メディエーションのスキルとマインドを身につけることによってコンフリクトが減少し、たとえ生じそうになっても未然に防げる場合もあるのではないかと思えるようになりました。最後に、休日返上で私たちのために研修会を運営してくださった講師・スタッフの皆さんと、つたないロールプレイに付き合ってくれた4班のお二方に感謝の意を表したいと思います。

労働者健康福祉機構 愛媛労災病院  味生 俊

コメント

  • 先日はご参加頂き有難うございました。
    講師をつとめました荒神です。

    愛媛県医師会とJAHM四国支部の強力なバックアップのもと、充実した研修を担当することができ、有難く存じます。

    味生様の感想を拝読して心強い思いです。
    今川先生の研修会のまとめの挨拶にもあったように、今後も愛媛、四国でメディエーターマインドがますますひろがることを祈念致しております。

    荒神 裕之

    2012年3月16日2:58 PM | 荒神 裕之