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まずはじめにまつうら小児科では・・・ 痛みをともなう検査や注射は必要最小限にしています。 また、くすりの処方も必要最小限です。 小学校に入るまでのお子さんには、 抗生物質の飲み薬は原則出しません。 その理由は・・・ 6歳までの乳幼児の病気のほとんどはウイルス感染であり、 キホン何もしなくても、 自分で抗体を作って治す力(免疫力)が備わっています。 たとえ赤ちゃんでも同じです。 しかし、 心身の疲れ・寝不足・食欲低下などの影響で体力が落ちているときは おとなであっても免疫力が低下し、病気にかかりやすくなります。 従って 治療の3本柱は「安静と睡眠と十分な栄養補給」です。 お薬の役割はこの3つを助けるための補助的なものでしかありません。 熱や吐き気やかぜ症状のために睡眠が妨げられたり、 また食事が取れない状況を改善するためにくすりは必要とされるのです。 残念ながら、 子どもの場合問題なのは「安静がとれない」ことです。 最悪なのは、熱さましで熱が下がったあと、 本来ならゆっくり体を休め栄養をとるべき時に 遊ばせてしまうことです。 こうなると小児科医はお手上げです。 くすり以外の治療として注射・点滴がありますが、 当然痛みをともないます。 吐いている子が来院したらすぐ点滴をするお医者さんがいますが、 嘔吐下痢症に代表される小児の感染性胃腸炎は 最初の半日くらい何も与えなければ、吐き気は自然におさまります。 吐き気止めの座薬を出すこともありますが、 点滴を必要とすることは当医院ではほぼ皆無です。 血液検査も当然ながら痛みをともなうため、 診断にかかわる必要最小限の項目にとどめます。 一方、尿検査は痛みをともないませんから積極的にやります。 便検査も同じです。 特に、尿検査は痛みをともなわないだけでなく 色々な情報を提供してくれます。 たとえば・・・ 高熱の原因が不明で腎盂炎が疑われたとき白血球が尿に出ます。 吐きやすい状態のときにはケトン体が陽性になります。 おたふくかぜのときは尿アミラーゼが高値になります。 そのほかにも尿にたんぱく質や赤血球が出ている場合は 腎炎やネフローゼなど怖い腎臓の病気が見つかる可能性もあります。 よって当医院では来院時に積極的に尿検査をするよう呼びかけています。 コロナ禍にともない鼻から検体をとる迅速検査をする機会が増えています。 これも痛みを伴う検査ですが、医者が必要としないと判断していても 園や学校・職場から強要されることが日常茶飯事となり困り果てています。 幸い、乳幼児は大人とくらべて鼻の中が湿っており、 鼻水が出ていたりすることがよくあるため、 それほど痛みはないかも?・・・です。 一方では、たくさんの種類の迅速検査をやっておきながら、 すべての検査結果を知らせないお医者さんがいます。 当医院では検査結果はすべて実際にお見せし、 結果を確認して陽性ならお渡しするようにしています。 このように・・・ たくさん検査はするが結果の説明はおろそかでデータも渡さない そんなお医者さんが少なからずいることは大変残念です。 子どもに痛い思いをさせて検査したんだから、 データの説明を受け、結果を受け取る権利はしっかり行使してください。 これらの原因はすべて 子どもの医療費が無料であることの弊害 と私は考えています。 保護者自身が痛い思いをするわけでないし、 お金は払わなくていいとなると医者のやりたい放題・・・。 さらに当医院では、 特に乳幼児の場合、点滴とか詳しい検査が必要な場合は すみやかに2次病院(主に西条中央病院)を紹介します。 自院で散々検査や処置をし倒し、 子どもの状態が悪化したあとになって紹介しても、 結局は紹介先では同じ検査をやり直す羽目になり、治療も長引くため あまり外来で引っ張るのはいかがなものかと・・・。 最後に・・・ 我々小児科専門医はもともと「こどもの総合診療医」です。 かぜなどの一般的な病気だけでなく、 こどものこころとからだの悩み事は まず相談していただきたいものです。 必要に応じて、 私が最も信頼している他科の先生を責任を持って紹介させていただきます。 例を挙げますと・・・ 皮膚科:浦部医院皮膚科 眼科:山元眼科・松山市鷹ノ子病院眼科 耳鼻咽喉科:小林耳鼻咽喉科・新居浜市十全病院耳鼻咽喉科 外科:田淵外科 整形外科:西条中央病院整形外科・東温市こども療育センター整形外科 こどものこころ相談: 今治市ひねのクリニック・愛媛大学子どものこころセンター ・東温市こども療育センター小児科 西条中央病院小児科の愛媛大学小児科医師による 専門外来(循環器・アレルギー・小児神経・代謝内分泌) おまけです。 私も長年の経験から小児科以外の処置・・・ 水イボを取ったり、とげを抜いたり、 ソケイヘルニアや肘が抜けた肘内障の整復など を得意としております。 また、乳幼児の乾燥肌・湿疹などのケアは 小児科的なアプローチが重要と考えており、 赤ちゃんの肌にやさしい当医院オリジナルローションも 用意しておりますので是非ご相談ください。 以上です。 引き続き主な病気・症状の治療方針を紹介します。 |
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目次:1)発熱時の対処法 2)感染性胃腸炎(いわゆる嘔吐下痢症) 3)じんましん 4)熱性けいれん 5)気管支喘息 6)乳幼児湿疹・アトピー性皮膚炎ほか 7) |