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口内炎・口腔真菌症 - 口の中いつも清潔に 味覚変化は心理的要素も -
問い 七十五歳の主婦です。昨年の四月ごろから口内炎ができ歯科医へ行きましたら口腔外科を紹介されました。舌にカビができているとのことで三ヶ月余り通院しました。その後歯科医で虫歯と歯肉炎の治療をしてもらいました。内科にも通っていますが、よくなりません。牛乳とミカンが一番妙な味がします。唾液に塩気のような味がします。水を飲んでも以前と違った味がします。口の中のタダレはだいぶんよくなりましたけどあまり長いので胃の検査(バリウム)もしましたが、結果は異常なしでした。よい治療法はないものでしょうか。お願いします。
 
答え

 いくつかの科を受診され、長期間お悩みのご様子です。文面には診断名と「口の中のただれ」とは書かれていますが、症状がどんな様子であったのかわかりません。


  ここでは書かれている診断名を中心に、一般的に説明をさせていただきます。まず口内炎ですが、中心部が白く、周辺に赤いふちどりのできる直径数ミリの円形または楕円形のアフタ性口内炎というタイプが一番ポピュラーです。舌、唇、頬粘膜、歯ぐきなど、口の中のどの部位にでもでき、多発したり、再発したりします。ひりひり痛かったり、肩が凝る、くびのリンパ節が腫れるなどの症状が起こります。原因は感染、ストレス、アレルギー、ビタミン不足、自律神経異常、消化不良、内分泌異常などが考えられていますが、実態は不明です。このタイプの口内炎は局所にステロイド含有の口腔用軟膏を塗ることで通常は四、五日から一週間前後で治ります。難治性の場合は、ヘルペスなどのウイルス性口内炎や、全身性疾患(例えばベーチェット病)の部分症として発症する口内炎との鑑別が重要です。


 次に「舌のカビ」はカンジダという種類の真菌(カビ)が一般的です。白いヨーグルト状の膜やかたまりができたり、赤くただれるなどの外観を呈します。これも舌に限らず、頬粘膜、歯ぐきなどにも発症することがあります。症状としては、ひりひり痛む、熱いものがしみるなどで、口内炎との鑑別が困難なこともあります。健康な人の口の中にも多少のカンジダは生きており、一般成人の約一割、六十歳以上の人では約半数に認められるといわれていますが、膜ができるほど大量に増殖し、症状があれば治療の対象になります。糖尿病などで免疫機能の低下している状態や、虫歯、歯肉炎、歯槽膿漏、義歯(入れ歯)装着など、口の中の清潔度が下がった状態で発症しやすく、また歯科用に使われる金属に対するアレルギーもきっかけになると考えられています。
 ご質問の「口内炎」と「舌のカビ」とは併発していたのか、それとも一方が治療途中で発症してきたものでしょうか。口内炎用軟膏がカンジダを増殖させ、悪化させた可能性もあります。


 治療はまず口の中を清潔に保つことが大切です。虫歯、歯肉炎は必ず治療が必要ですし、歯や舌を歯ブラシでブラッシングします。義歯であればそれに付着することもありますので、日ごろからよく手入れをします。薬をしては内服薬は副作用が強く、通常はうがいの後、真菌に効く口腔用軟膏を塗ります。


 最後に味覚変化についてですが、口内炎や、カビによる舌炎などの物理的が刺激によって痛みがある場合、女性で更年期を迎える四十、五十代以上の方の約半数に味覚変化が認められる、との報告もあります。ホルモンのアンバランスや自律神経の変調に影響されるようです。血液中の亜鉛欠乏が一因になっている場合もあります。最近では心理的要素も、重要な原因と考えられています。症状が長期にわたり、ご心配でしょうが、治りにくいといっても、がんなど、悪性の病気を気にしすぎることなく、根気よく治療を続けてください。

(松本 康)

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