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回転性めまい - 段階的に平衡訓練を 筋肉緊張緩和薬も効果 -
問い   二十代の主婦です。妊娠後期、入浴中に突然、回転性のめまいに襲われました。そのときは一、二時間で治まりました。三日後、同様のめまいが起き、入院しましたが、薬や注射が効かず、不安と恐怖で精神的に参ってしまいました。耳鼻科でメニエル病ではないかと言われましたが、検査の結果、そうではないとのことでした。
   妊娠九ヶ月で退院し、その後、無事出産しましたが、症状はよくならず、ひどくなるばかりです。一日中、体がふわふわ浮いている感じで、座っていても、船に乗っているような感じです。どんな治療を受ければよくなるのでしょうか。
 

答え    めまいで相当苦しんでおられるようです。
めまいをきたす疾患は多種にわたります。内耳または内耳から出る平衡神経に原因があるもの、小脳や脳が原因のもの、頚椎や目、歯などが原因のもの、血圧や自律神経失調によるものもあります。いろいろ調べても原因のはっきりしないものもあります。
メニエル病のことを特に気にしておられるようですので、まずメニエル病のことをお話します。めまいといえば必ず言われるメニエル病ですが、これは内耳の中に水がたまりすぎて起こる病気です。めまいと同時に、聞こえにくくなったり、耳鳴りがしたり、耳が詰まったような感じが起こることが多く、このような状態を発作的に繰り返します。

   ご相談ではめまい以外の耳の症状を書かれていませんが、いかがだったでしょうか。メニエル病と言われたり、違うと言われたりしたとのことですが、病気の時期によっては診断がつきにくいこともあり、経過をずっと観察していて初めて診断がつくときもあります。また、内耳から起こるめまいには、メニエル病のほかにも前庭神経炎や突発性難聴、良性発作性頭位めまい、外リンパ瘻(ろう)などいろいろなものがあります。

めまいのイメージ   さて、最初は、回転性のめまいで、現在は体がふわふわ浮いているような感じとのことですが、これはめまいが急性期から慢性期になった場合に多く見られます。慢性期では、病気の原因は治まったものの、内耳がダメージを受けて元通りになっていない状態と考えられます。このようなとき、内耳から入ってくる情報は不完全で、目や体のほかの部分から入ってくる情報と一致しないことが、めまいの原因となっています。これを反対側の内耳や小脳が代償して、めまいが治まるわけですが、この代償を速めるためには平衡訓練が有効です。最初は体を動かさずに目を動かす運動。次に目を動かさずに頭を動かす運動、それから体というように、段階的に行っていきます。
   また最後に書かれていますが、首の後ろが痛いというのは重要な症状です。筋肉の緊張が高進していることがめまいの原因となり得るからです。筋肉の緊張を和らげる薬がよく効くことがあります。

   めまい患者は、外見上は健常者と変わりなく、職場や家庭で「怠け病」とみなされる、あるいはそう思われているのではないかと気にすることが大きなストレスとなることが多く、それが症状の悪化につながっていることがあります。育児も大きなストレスとなっていると推察されます。睡眠不足のとき、めまいはよけいひどくなるものです。精神安定剤が有効なこともありますし、家族の理解と協力を得るために、一緒に病院に行って、めまいの状況を説明してもらうことも必要でしょう。

(小澤哲夫)

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