鼻炎の代表的な症状に、くしゃみや、鼻水、鼻づまりなどがあります。
これらの症状の中でも特に鼻づまりは、頭が重く感じたり、寝苦しく感じたり、風邪をひきやすかったりと、日常生活を送る上では、非常に悩みの種となってしまう症状だと思います。これは本来、哺乳類には鼻から息をすることで健康を保つ仕組みがあるからです。
そのため、薬局などで販売されている直接鼻にスプレーをする薬(点鼻薬と呼びます)を買って使用される方も多いと思います。
この市販の点鼻薬には,血管を細く縮める成分が含まれており、鼻の粘膜の中にある細かな血管を収縮させることができるため、結果的に粘膜の腫れが治まり、鼻の中が広く空気が通りやすくなります。
実際に使用されたことがある方はご存知だと思いますが、この点鼻薬を使うと、すぐに鼻からの呼吸が楽になります。しかしいつまでも血管を縮めることはできないため、再び血管が膨らんでしまうと、鼻からの呼吸もしづらくなり、ふたたび鼻づまりが起こってしまいます。そうすると振り出しに戻り、また点鼻薬を使うことで鼻づまりを解除することも多いと思います。
しかし市販の点鼻薬の注意書きにも書いてあるかもしれませんが、たくさん使用すると、鼻づまりが逆に悪化してしまうことがあります。この状態を、お薬による鼻の炎症であることから、「薬剤性鼻炎」と言います。薬をたくさん使い続けてしまうことで効果が少なくなってしまい、使う前よりも粘膜が腫れた状態になるので、鼻づまりが続いてしまうために起こります。
市販の点鼻薬を日ごろ使用しているけどなかなか治らず、逆に点鼻薬を使う頻度が増えてしまっているような場合には、一度鼻の粘膜の状態などの診察を受けた方が良いでしょう。長く続けることができるような、鼻づまりの治療をおこなっていく必要があります。
もちろん市販の点鼻薬は、即効性があり良いお薬ですが、使い方を間違うと鼻づまりがかえってひどくなってしまうことがあるため注意が必要です。
また、鼻づまりの原因には、花粉症などアレルギー性の鼻炎による鼻の粘膜の炎症以外にも、まれにですが腫瘍などが原因の場合もあるため、鼻づまりの他にも出血や痛みが続く場合などには、注意をしていただいて、耳鼻科で診察を受けることをお勧めします。