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めまい

    きれいな写真を撮るのに便利なカメラの「手ぶれ補正機能」は、カメラのぶれと反対方向にレンズやセンサーが動いて焦点がずれないようにします。実は、人間にも「手ぶれ補正機能」があります。この新聞を小刻みに横に動かしてみてください。文字がぼやけて見えにくくなったはずです。次に新聞を動かさずに頭を動かすと、文字が読みやすくなります。

   耳の奥にある内耳は聴覚と平衡覚を司る器官です。平衡覚は三半規管で回転を、耳石器では直線の動きを感知して脳に伝えます。その情報をもとに頭が右を向くと目が左に、頭が左に動くと目は右に動くように脳が指令を出します。頭と目は常に反対に動くのです。この「手ぶれ補正機能」が電車の窓から外を見ているときなどに繰り返し起こると生理的眼球振とう(眼振)が出現します。

   一方、内耳が障害されるめまいでは、誤った情報が脳に伝えられ、実際には頭を動かしていないのに「手ぶれ補正機能」が働いてしまい目が回ります(病的眼振)。この状態で景色を見るとコマ送りの様に回って見えてしまいます。耳鼻科を受診し病的眼振を特殊なレンズや赤外線カメラで確認するとめまいの方向が確認できます。めまいが強いときにはつらいですが、頭の位置をいろいろ変化させ眼振を確認することは非常に大切な検査です。

   耳が原因のめまいで有名な「メニエール病」は、内耳にあるリンパ液が増えすぎて溜まった状態(内リンパ水腫)になり、回転性めまいの発作とともに聴力低下や耳鳴りが起こり、これを繰り返しながら徐々に悪化する病気です。原因が不明でめまいが繰り返される場合に「メニエール症候群」と総称されることがあるため、「メニエール」という言葉が広く認知されていますが、実際には「メニエール病」はそれほど多くはありません。繰り返すことが確定診断の基準の一つですので、耳鼻科でしばらく経過を見る必要があります。

   めまいの中で最も多いのが「良性発作性頭位めまい症」でめまい患者さん3から4割がこのめまいです。内耳の中央にある耳石器から、頭部打撲のあとなどに炭酸カルシウムの小さな結晶(耳石)がはがれ落ち、三半規管に入り込むことによって生じることが原因といわれています。朝、起床した時や寝返りをうったり、棚の上のものを取ろうとして急に上を向いたりした時に、急激に回転性の激しいめまいが生じます。早めに耳鼻科を受診し眼振を確認し、めまいが起こりやすい頭の位置を積極的にとるリハビリを続ける必要があります。

   めまいが一時的で、すぐ治ったあとも再発の不安から外出を控え、生活の支障をきたすことがあります。医療機関で相談し適切な治療、指導を受けることが大事です。

(やまだ耳鼻咽喉科  山田  和臣)

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