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喉頭がん

   喉頭とは「のどぼとけ」の硬い軟骨で囲まれた部位のことをさします。喉頭のほぼ中央には呼吸や発声に大切な役割をはたす声帯があります。呼吸の際には声帯が開き、口から肺への空気の通り道となります。発声の際には声帯は閉じ、肺から吐き出される空気によって声帯が振動し、音声が作られます。また、喉頭のすぐ後ろには食道の入り口があり、食事の際に食べ物が肺に入らないよう調節を行うことも喉頭の働きです。つまり、喉頭には呼吸、発声、うまく食べ物を食道へ送るといった大切な働きがあるのです。

   喉頭がんとはこの喉頭に発生するがんで、発生率は10万人に約2〜3人程度とされています。最近の報告によると日本国内で1年間に約3000人の喉頭がんの発生がみられています。

   喉頭がんの原因には喫煙、飲酒、声の酷使や遺伝的要因など様々なものが推定されていますが、中でも最も大きな要因が喫煙です。喉頭がんは別名タバコがんとも言われており、喉頭がんになった方の97.3%がタバコを吸っていたというデータがあります。また、喫煙によって喉頭がんで死亡する危険性は喫煙をされない人と比べ5.47倍も高いとされています。一方、禁煙すると何歳で禁煙を始めてもがんになる危険性が低下することもわかっています。喉頭がんはがんになる可能性をなくする、つまり予防することが大切なのです。禁煙は大変難しいものですが、喫煙されている方はぜひ今日から禁煙に取り組んでみてください。喉頭がんで次に大切なのが早期発見です。喉頭がんのおもな症状は声のかすれやしわがれ声など声の変化が起きることが多いとされています。そのため早期発見されることが多く、早期がんでは90%以上の人が治ります。ただし、がんのできる部位によってはのどの違和感や痰に血が混じることが初めての症状のこともあり注意が必要です。

   診断には喉頭を詳しく診察することが必要ですが、喉頭はのどの中で最も深いところにあるため、口からの観察だけでは不十分な場合があります。詳細な検査は内視鏡を鼻から入れ、喉頭まで到達させることによって可能となります。経験のある耳鼻科医であれば苦痛はほとんどなく、数十秒で終わります。また、胃カメラのように食事制限の必要はありません。最近では内視鏡技術の進歩により、より精度の高い診察が可能になってきました。なかでも狭帯域光観察(NBI: narrow band imaging)は、これまでがんと診断できなかった小さな病変や早期病変の発見を可能にし、耳鼻咽喉科領域においても広く普及が進んできています。声の調子がおかしい、あるいはのどの違和感が続くといった場合はぜひお近くの医療機関にご相談してみてください。

(もりざね耳鼻咽喉科  盛實  勲)

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