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愛媛県産婦人科医会

産婦人科の疾患への対処法や妊娠時の注意事項など女性に必要な医療情報を提供します


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ヒトパピローマウイルス(HPV)

感染率.jpg(Brown DR, et al: J Infect Dis. 191: 182-192, 2005)
ヒトパピローマウイルス(human papilloma virus: HPV)は,乳頭腫(イボ)を形成するDNAウイルスで,1970年代に子宮頸がんの組織から発見されました。性交渉のある女性の多くが一生のうち一度は感染すると言われており,今までに100種類以上が報告されています。その一部の型が持つ遺伝子が発がんに関与していることが報告され,HPVが持つ発がん性によって低リスク群(6, 11型など)と高リスク群(16, 18, 31, 32, 33, 52, 58型など)に分類されています。HPVは皮膚や粘膜における接触によって感染しますが,多くの場合(90%以上)1〜2年後には自分自身の免疫力によって自然に除去されます。しかしながら,自然感染の場合抗体の産生(いわゆる免疫)が十分ではなく,性的接触によって何度も感染を繰り返します。性行為によって外性器に感染すると尖圭コンジローマ(6, 11型など),子宮頸がん(16, 18型など)が生じ,オーラルセックスによって舌がんや喉頭がんが生じる可能性が指摘されています。(子宮頸部にHPVが感染した女性のうち約0.15% が子宮頸がんに進行する)

HPV-DNA型の判別

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(Miura S, et al. Int J Cancer 2006より作図したHPV Insights Vol.3)

HPV核酸同定検査。子宮頸部から細胞を採取し,3〜14日で判定することができます。子宮頸部細胞診単独では前がん病変の20〜30%を見逃す可能性があると言われており,子宮頸部細胞診に本検査を加えることによって前がん病変(異形成)の発見率が増加する(100%近くまで)と言われています。 DNA型の判別には自費で数万円かかりますが,子宮頸部細胞診でASC-US(意義不明の異型扁平上皮)という結果が出た場合,中〜高リスク型のHPVの有無を調べる検査が保険適応(5000円程度)となります。日本女性における子宮頸がんの原因ウイルスとして,HPV 16・18型は約60%,52・53型が約10%を占めています。

HPVと免疫

潜伏感染状態ではHPV抗原が殆ど産生されないため免疫系に認識されません。HPVが増殖している時でもウイルスは微量かつ粘膜表面に限局されるので免疫系が強く刺激されることはありません。従って,感染者における血清抗HPV抗体価は低いとされています。