発疹(ほっしん)が出る感染症

【Q】

一歳三ヶ月の男児です。麻しん・風しん混合ワクチン問診票に麻しんにかかりましたと○印を付けました。「麻しんではなく、突発性発疹だったのですね」と言われました。発疹が出る感染症について教えてください。

【A】

 発疹が出る感染症の代表的なものが、麻しん(はしか)、風しん、突発性発疹です。
 発疹が出ると熱がなくても、はしかではないかと心配して受診される方も結構おられます。麻しんは以前はほとんどの方がかかり、恐ろしい(現在でも)病気でした。今年は成人の麻しんが話題になりました。麻しんと風しんの予防接種が定期化されて以来、小児科では麻しんも風しんも珍しい病気になりました。予防接種による免疫は、時間の経過とともに弱くなってきます。予防接種を受けていてもこれらの病気にかかる人が見られるようになりました。昨年から免疫をより確実なものにするため、麻しん・風しん混合ワクチンを一歳から二歳で一回、小学校入学前一年間の間に一回と、二回するようになりました。              
 麻しんは三日間の発熱後、発疹が出てさらに四日間熱が持続します。風しんは発熱とほぼ同時(無熱のこともある)に発疹が出ます。突発性発疹は三日間前後の高熱の後、熱が下がって全身に発疹が出ます。いわゆる夏かぜの中にも、これらの三つの病気と同様な発疹が出るものも多く見られます。ほおの紅斑と四肢に網の目状の発疹が出る伝染性紅斑(りんご病)の中にも、体に風しん様の発疹を認めるものがあります。全身(特に、腋下部・下腹部など)に小さな発疹が見られる溶連菌感染症。手のひら・足底・口腔内に小水疱(すいほう)の見られる手足口病。全身に水疱の見られる水痘。その他、まだまだ多くの感染症で発疹が出るものがあります。
 それぞれの病気には、臨床症状(発疹を含めて)や経過に特徴的なものがあります。かかりつけの小児科で正しい診断を受けて、母子健康手帳に記録しておきましょう。    

 〜平成19年7月(愛媛新聞「救Q箱」)より〜

平成21年3月21日HP掲載