溶連菌感染症について

【Q】

六歳の息子の幼稚園で溶連菌感染症が流行しているようです。息子は熱はないのですが、最近、のどの痛みがあるようで心配です。昨年も溶連菌感染症にかかったのですが、再びかかる可能性はあるのでしょうか。また、この病気の注意点を教えてください。

【A】

 松山市医師会の感染症情報によると、溶連菌感染症は今年一月下旬から増えてきており、例年になく流行しているようです。年長幼児から学童にかけての小児に多く見られる感染症です。小児の病気の中には、ウイルス感染症で一回かかると終生免疫ができて二度とかからないものが多いのですが、ご質問の溶連菌感染症は、正式には「A群β溶血連鎖球菌」という細菌による感染症であり、終生免疫はできませんので、何回もかかる可能性があります。また、子どもから親にうつってしまうケースも見られます。
 主な症状は、発熱とのどの痛みです。熱の程度は微熱から高熱までさまざまで、時には熱が無く、のどの痛みだけのこともあります。その他、腹痛、吐き気を伴ったり、ひどくなると発疹(はっしん)、舌の表面がブツブツと赤くはれ苺(いちご)のようになる苺舌が見られたりします。普通のかぜと似ていますが、医師は症状とのどの独特の赤さでこの病気を疑い、多くは迅速診断キットで診断します。ただし、抗生剤を内服した後では、検査で陽性に出ないこともあり注意が必要です。溶連菌感染症が普通のかぜと違うのは、放っておくと腎炎やリウマチ熱などの合併症を引き起こす恐れがあることです。完全に除菌して合併症を予防するために通常、抗生剤を十−十四日間内服します。学校保健法で出席停止となる病気の一つですが、抗生剤内服後二十四時間以上経過し、症状が軽快していれば感染力はほぼ無くなっており、通園(登校)可能です。治療で症状も速やかに軽快することが多いのですが、短期間で抗生剤内服をやめると、しばらくして再燃する(ぶり返す)ことが多いので注意しましょう。    

 〜平成19年3月(愛媛新聞「救Q箱」)より〜

平成20年11月15日HP掲載