新型インフルエンザ

【Q】

二歳の子の母親ですが、保育所でよく風邪をもらってきます。テレビや新聞で鳥インフルエンザのニュースを見たりしますが、子どももかかるのでしょうか。

【A】

 インフルエンザは豚や鳥(水鳥)に広く分布しており、抗原の違いによってA,B,C型に分けられています。人に感染するタイプはAソ連(H1N1)、A香港(H3N2)とB型で、何年かごとに小流行と大流行を繰り返してきました。H抗原には1から14、N抗原には1から9まであり、お尋ねの鳥インフルエンザはH5N1というタイプで、もともとヒトには感染しませんでしたが、ウィルスの突然変異のためか世界中でヒトへの感染が報告され注目されています。こういった新型のインフルエンザには大人も子供も抗体を持っていませんから、流行が始まると未曾有の大惨事になると専門家は指摘しています。
 通常のインフルエンザ流行による肺炎死亡数は高齢者を中心に人口十万当たり十人を超え、乳幼児のインフルエンザ脳症での死亡数は年間百?二百人と言われています。発熱から一、二日でけいれんを起こしたり意識がなくなったりしますので、できるだけワクチンを注射しておく事と、かかったときには早めに小児科を受診しましょう。二〇〇七年のワクチンには流行予測に基づいてAソ連、A香港とともに二種類のB型が混合されています。鳥インフルエンザをはじめとする新型インフルエンザに対しても世界中でワクチンの開発や研究が進められています。
 インフルエンザに限らず子供は脱水症状になりやすいので、発熱の際には水分を少しずつ十五?三十分おきくらいに頻回に飲ませてあげましょう。高熱の場合、手足が冷たいようであればこたつなどで温める方が熱は下がりやすくなります。身体は病気に打ち勝つために体温を高めて抵抗力を強めているわけですからあまり神経質にならないでメフェナム酸(商品名ポンタール等)やジクロフェナクナトリウム(商品名ボルタレン等)などの強力な解熱剤は使わないよう、小児科学会は提唱しています。    

 〜平成19年1月(愛媛新聞「救Q箱」)より〜

平成20年9月20日HP掲載