熱中症とその予防

【Q】

 1歳八ヶ月の男児です。
気候がよくなり、散歩や車でお出かけしたいのですが、「夏は熱中症に気をつけて」という話を聞いて不安になりました。熱中症とはどんな病気ですか。注意点や予防方法など教えてください。

【A】

 そろそろ梅雨明けを迎えます。この季節は急激に気温、湿度が高くなりますが、こうした時に熱中症は起こりやすくなります。
 熱中症とは、高温の環境下で体温調節が効かなくなった状態のことです。症状としては、筋肉の痙攣(けいれん)、立ちくらみ、気分不快、異常な渇き感、高体温がありますが、程度によっては全身痙攣や昏睡(こんすい)状態になることもあります。特に小児では、汗腺や血圧調節が未熟であるため、熱中症にかかりやすいので注意が必要です。
 熱中症の予防としては、@高温になる場所に長居させないことが重要です。長時間日なたで遊ばせない、帽子をかぶせる、白っぽい服装をさせるようにすると良いでしょう。車内に長時間居させることなどもってのほかです。屋内でも日光の差し込みを避けるために、窓にカーテンやすだれをして日陰を作るようにします。エアコンを導入して、温度や湿度を調節することも効果的です。その際には、エアコンの設定温度は人の居場所の温度とかなり異なっていることがありますので、室温の測定を心がけましょう。また冷気が直接人に当たらないよう注意しましょう。Aこまめに水分を補給しましょう。ただし冷たすぎると胃腸に負担をかけます。水分といっしょに塩分が失われることも多いため、スポーツドリンクを利用するのも良いでしょう。B体調を管理しましょう。活動終了後には涼しい環境で安静に過ごし、睡眠を十分にとることが必要です。
 熱中症になってしまったと思われたら、風通しの良い日陰に避難し、体温を下げるよう、あおいで風を送ったり、濡れタオルで体をふくなどします。そして水分補給をさせます。ただし吐き気があったり、意識状態が低下していたりするときは、口から飲ませることはしないようにします。その場合は点滴が必要ですので、必ず病院を受診するようにしましょう。

 〜平成18年7月(愛媛新聞「救Q箱」)より〜

平成20年4月26日HP掲載