風疹の予防注射は?

【Q】

二歳の娘です。麻疹の予防接種は済みましたが、風疹がまだです。次々病気にかかり、三月までに出来ませんでした。もう受けられないのでしょうか。

【A】

 この方の場合、市町村が費用を負担してくれて、万一事故が起こった場合には国が責任を持ってくれる定期予防接種として受けることができるのか、というご質問だと思います。
 予防接種の制度が昨年からいろいろと変わり、私たち小児科医も困惑しています。今まで、麻疹(ましん)と風疹(ふうしん)とを別々に一回だけ予防接種をしていたのですが、今年四月から麻疹と風疹が両方入った「麻疹風疹混合ワクチン」が出来てこれを一歳の時と就学前とに二回受けることになりました。
 このこと自体は麻疹や風疹をなくすための大きな一歩でとてもいいことです。ところが、今年四月以後は「混合ワクチン」だけしか認めない、しかも一回目は二歳まで(従来は九十ヶ月まで)、ということにしてしまったために大きな混乱がおきました。どちらか一方しか済んでいない人は他方の予防接種を受けられなくなるからです。このため三月までに済まそうと無理をした人もありました。三月末には全国で風疹ワクチンが品薄になる騒ぎもありました。それでもなお、この方のようにできなかった人が相当残っています。
 多くの人の反対を受けて厚労省は「単独ワクチン」も六月一日から使えるようにする、と発表しました。しかし、今回の変更でも二歳以上の人は就学一年前までは受けられません。現在でも、市町村が費用を負担して風疹の予防接種を受ける制度はあります。しかし、二歳以上の人も受けられる市町村は残念ながら愛媛県ではわずかです。(他県ではもっと多いのですが。)
 今、二歳以上の人も安心して受けられるような制度を求める運動がなされているところですが、いい制度ができるまで待っていてもいいか、風疹のはやり方によっても違います。かかりつけ医にご相談なさってください。

 〜平成18年5月(愛媛新聞「救Q箱」)より〜

平成20年3月27日HP掲載