ご挨拶

 

 

                愛媛県小児科医会 会長               井上 哲志

 

愛媛県小児科医会を代表して、ご挨拶申し上げます。

本会は、「日本小児科学会愛媛地方会(昭和37年発足)」を母体として、昭和591月に設立されました。

本会の究極の目的は、愛媛県下の子どもたちの心身の成長を医療の面からサポートすることにあります。

私たちは日々、子どもと家族の声を直に聴きながら医療を提供しています。

小児科領域では、ワクチンの拡充により外来・入院ともに感染症の占める割合が減少する一方で、アレルギー、発達障がい、心身症、慢性疾病、医療的ケアなどをキーワードとする分野のニーズが高まっています。児童虐待の予防や対応、小児救急体制の整備も重要なテーマです。

このような課題は簡単には解決に至らないことも多く、医療のみならず保健・福祉・教育に携わる行政や民間の方々と連携し、子どもたちに必要な環境を地道に整えていく必要があることを痛感しています。

子どもたちと家族を中心に据えて、できればチームの一員に迎えて、未来を担う世代を社会全体で育むことができるよう、慢性疾病や障がいの有無にかかわらず全ての子どもたちが「愛媛に生まれてきて良かった」と思えるよう、皆さまのご協力をお願いいたします。

 

〜子どもたちへのメッセージ〜

いまも新型コロナウイルスとの闘いは続いています。

感染対策として求められる「新しい生活様式」が、君たちに様々な制約を強いて3年目を迎えたことになります。

それ以前からITの進歩は目覚ましく、日常生活の有り様そのものを大きく変えてきました。これからは教育の現場においても活用が進んで行くことと思います。

ITが提供する環境がコロナ禍の救いになっている側面もある一方で、心と脳の発達段階にある君たちに及ぼす影響には十分な注意が必要です。

今を生きる君たちは、メタバースと言われるもう一つの世界を当たり前のように行ったり来たりするようになるのかもしれません。

そのような中だからこそ、友だちや大人、そして自然に直に触れながら、五感の刺激に溢れる子ども時代を過ごして欲しいと思います。

 

令和45