ご挨拶

 

                愛媛県小児科医会 会長               児玉 義史

 

愛媛県小児科医会を代表して、ご挨拶申し上げます。

本会は、愛媛県内の病院勤務小児科医と開業小児科医が加入している組織で、平成283月現在で124名の会員を擁しております。昭和37年発足の「日本小児科学会愛媛地方会」を母体として、昭和59年1月に設立されました。

 設立の頃から現在までの小児科医の世界の変遷をたどってみますと、かつては「子どもの病気」と言えば日常的な風邪ひきに加えて、はしか・風疹・水ぼうそうなどの感染症が大きな部分を占めておりました。小児科の医師はこれら感染症を診断し、重症にならないように治療に力を尽くすのが毎日の主な仕事でした。もちろん、これら感染症の診断・治療が大切なのは今も変わりませんが、各種予防接種の普及のお蔭もあって重症感染症は減少しつつあります。その一方で、「現代病」とも言われるアレルギー疾患や心の問題の増加、更には新生児医療等の発達にともなって、救命されたものの心身の障害を持って生活している子どもたちや慢性疾患を持つ子どもたちへの在宅医療の需要の増大などが注目されてきております。

 小児科を取り巻く世界のこのような変化に対応し、小児科医も変わってゆかねばならない時代になって来ております。これからの時代の小児科医と子どもたちを支援し、子どもたちへの医療・福祉の環境整備を考えてゆくのも本会の仕事と考えております。

 そのための、本会の主な活動をご紹介いたしますと、先ず、年に2回(3月・9月)の学術教育集会を開いで県下の小児科医の学術研鑽・技能向上の場を創っております。また、以下に挙げます委員会活動等を通じて多岐に亘る事業を展開しております。

 

〇育児支援委員会:HP(愛媛県小児科医会公式ホームページ)内の「保護者の育児に役立つ情報コーナー」等を通じて育児支援を行ってゆくことを目指しております。

〇食物アレルギー対策委員会:食物アレルギー対策として、一般の方々を対象に食物アレルギーシンポジウムを開催(愛媛県医師会と共催)しております。また、幼稚園・保育園への提出用の除去食連絡票を作成・適宜更新しております。HPからダウンロード可能です。また、HPに「食物アレルギー情報コーナー」を設置しております。

〇小児救急医療検討委員会:地域の小児救急医療のあるべき姿を検討・提言しております。

〇未成年喫煙防止対策委員会:未成年喫煙防止対策として、「禁煙推進の会えひめ」に協調し、県内公共施設完全禁煙化、タバコ自販機撤廃推進等を強力に推し進めております。

〇健診パンフレット委員会:乳幼児健診時に小児科医からご家族にお渡しするパンフレットを編集・作成し、随時改訂しております。

〇学校検尿対策委員会:早期に発見すれば治る腎臓病を見つけるのが学校検尿の役目ですが、この委員会では、愛媛県内の統一した学校検尿を目指して検討中です。

 

他にもいくつかの委員会が活動しております。平成28年度中には「小児在宅医療検討委員会(仮称)」も発足予定です。

 

 その他、113日に行われる「良い子を産み育てる妊婦の日」(愛媛県産婦人科医会主催)への参加・協力(シンポジスト、育児相談)、愛媛新聞「健康ナビ」等への記事掲載、テレビの医療番組への協力、毎月1回えひめこどもの城で行われている「子どもの体と心の健康相談」への相談医派遣なども行っております。

 本会は、今後も、愛媛のこどもたちの健康と幸福のため、努力してゆく所存です。何卒よろしくお願い致します。

 平成283