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生活医学コラム
廃用症候群について 廃用症候群について
要介護者を支援していくために
 これから増加して行く要介護者を支援して行くために、要介護者を心身の両面にわたり十分に理解する必要があります。

 まずは、本人が持っているいろいろな不白由さや心の悩みを良く聞いてあげなければなりません。障害を理解しようとする場合、生活に関するものを全体的に見るという広い視野に立って、何が要介護者の生活能力障害となっているかを考えねばなりません。

 また、この際、障害されたものばかりにとらわれる事なく、残されている機能は何か、どのような動作が出来るのかを良く知ることも大切です。

 残された機能や出来る動作を知ることにより、要介護者の自立への道を支援して行くことの手掛かりをとらえることができます。

 私達は、動いていることによって動く力を保ち、生活していることによって生活してゆく能力を維持しています。もし、寝させきりにさせられると、我々の心舅の機能は刻々と衰えて行きます。

 よく「寝たきりは寝かせきりから」と言われておりますが、寝たきりの方を作らないためには、可能な限り舅体の機能を生活動作に参加させてゆくことが重要となります。

 この点において、今回お話しする廃用症候群を良く理解していただきたいと思います。
廃用症候群とは
 高齢者の介護では、「廃用症候群」を防ぐことが大切であるといわれています。

 健康な人でも、体を使わないと筋肉の萎縮、関節の拘縮は意外と速く進行します。安静による筋力低下は、1週目で20%、2週目で40%、3週目で60%にも及びます。一度低下した筋力低下を回復させるためには、長くかかり、1日間の安静によって生じた体力低下を回復させるためには1週間かかり、1週間の安静により生じた体力低下を回復するには1か月かかるといわれます。

 廃用症候群とは、寝かせきりなどの状態で、心身の不使用・不活発(体や頭を使わないこと)によって起こる機能低下です。言い換えると、ベッド上での過剰な安静による害とも言えます。また、廃用症候群は、筋肉や関節だけではなく種々の臓器に様々な症状が生じてきます。
廃用症候群の悪循環とは
 廃用症候群によって生じる症状には、運動器障害としては、筋萎縮や筋力の低下、関節の拘縮(関節の動く範囲が制限され、無理に動かそうとすると痛みを生じます)、骨粗鬆症(骨がもろくなり、折れやすくなります)、腰背痛、五十肩などがあります。

 循環器障害としては、起立性低血圧(寝た位置から起こすと血圧が下がり、脳貧血症状を起こします)、静脈血栓症、肺塞栓症、肺炎、浮腫(むくみ)、褥創(床ずれ)などがあります。

 自律神経障害としては、便秘、尿失禁、大便失禁、低体温症などがあり、精神障害としては、抑うつ、負欲不振、睡眠障害、不眠、痴呆など、また泌尿器については、尿路感染や頻尿などを招く恐れもあります。
 このような「寝かせきり」「動かない」ことによる弊害の悪循環を簡単に図で示します。
廃用症候群を防ぐには?
 廃用症候群を防ぐために重要なことは、
@歩行の困難な方であっても、昼間は出来るだけ臥床を避け、座位を保っていることです。
A毎日、リハビリテーションにより手足の運動を継続してくることです。

寝たきり(寝かせきり)ゼロへの10箇条
1条 脳卒中と骨折予防寝たきりゼロヘの第一歩
  (寝たきりの原因や誘因の発生予防)
  寝たきりとなる原因の多くは、脳卒中と骨折が占めています。脳卒中を弓1き起こしやすい高血圧、動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病は、望ましい生活習慣を身につけることで、ある程度予防ができます。

 普段から、適度な運動や、塩分を控えたバランスのよい負生活を送りましょう。また、定期健診を受けて、生活習慣病の早期発見・早期治療にも努めることも大切です。

 骨折の原因になりやすい骨粗しょう症は、十分にカルシウムをとり、運動することで予防しましょう。
2条 寝たきりは寝かせきりから作られる、過度の安静逆効果
  (作られた寝たきり防止)
 高齢者は若い人と違って一週間寝込んだだけで、また、安静に横たわる状態を続けるだけで、筋力が衰えたり、起き上がろうという意欲がなくなり一簡単に寝たきりになってしまいます。
3条 リハビリは早期開始が効果的、始めようベッドの上から訓練を
  (早期リハビリテーションの重要性)
 医学の進歩により、リハビリを早く始めれば始めるほど、機能の回復が見込まれます。
4条 暮らしの中でのリハビリは良事と排泄、着替えから
  (生活リハビリテーションの重要性)
 日常生活の中で、食事、排泄、着替えといった当たり前の動作を、自力で行うように心がけるだけでも、立派なリハビリになります。
5条 朝起きて先ずは着替えて身だしなみ・寝・食分けて生活にメリとハリ
  (寝・農分離をはじめ、生活のメリハリの重要性)
 朝起きたら、必ず着替えて、身だしなみを整え、リズムのある生活を送ることが大切です。寝る場所と食事をとる場所の区別がつかない生活は、外出する意欲の低下につながります。閉じこもりから寝込んでしまい、さらには寝たきりへとつながる場合があるので、注意しましょう。
6条 手は出しすぎす目は離さすが介護の基本、白立の気持ちを大切に
  (主体性・自立性の尊重)
 自分でできることは自分でするという気持ちを持ち続けられるように支援しましょう。本人のできることまで、介護者が手助けをして、かえって心身の機能を低下させてしまうことのないようにしましょう。
7条 ベッドから移ろう移そう車椅子、行動広げる機器の活用
  (機器の積極的活用)
 ベッドの上で身体を起こすことができる入は、まず車いすに移ることを目標にして、更には屋外にでることを目標に、徐々に行動範囲を広げるようにしましょう。
 ポータブルトイレなど、自立や家庭生活への復帰を助けるいろいろな機器がありますので、大いに活用してください。このような福祉用具の購入や貸与は、介護保険のサービスとしても位置付けられています。
8条 手すり付け段差をなくして住やすぐアイデア生かした住いの改善
  (住環境の整備)
 高齢者の転倒事故は、家庭内でもしばしば発生し、骨折から寝たきりへとつながる場合も多くあります。手すりやすべり止めをつけ、段差を取り除き、照明を明るくするなど、住環境を改善して、要介護者が安全で動きやすくする工夫が必要でしょう。この住宅改修も介護保険のサービスの一つとして位置付けられています。
9条 家庭でも社会でもよろこび見つけ、みんなで防ごう閉じこもり
  (社会参塊の璽要性)
 一日中何もしないで、家の中に閉じこもっていると、運動機能を低下させ、意欲を無くしてしまいます。閉じこもりは寝たきりの前兆であるとさえいわれています。家庭や社会の中で、高齢者が一定の役割をもち、主体的な生活を送ることに喜びを感じていくことができるように、周囲の配慮が必要です。
10条 進んで利用機能訓練デイサービス、覆たきりなくす人の和・地域の和
  (地域の保健・福祉サービスの積極的活用)
 市町村で展開されている健康診査、機能訓練、保健婦による訪問指導などの保健事業や平成12年4月から始まる介護保険制度を上手に積極的に利用して、寝たきりやご家族の介護疲れを予防しましょう。
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